人間なのだけど、人間っぽくない人が、この地球上には存在する。
夫は、温和で愛に溢れた宇宙人だと思う。真面目に。
宇宙人は、説明するのが上手。理論的だ。分かり合えないという場面では、説明をして、理解し合おうとする傾向がある。情報の収集、分析、解析が得意で、そのアウトプットも巧みだ。
「理屈っぽい」とか「説明が長い」と言われると凹んだり、怒ったりするのは宇宙人を見分ける特徴だと思う。
宇宙人でも、いろんな星があるから、その特徴は、一概に言えないこともあるけれど、情報通、理屈で説明しようとする傾向は共通なのだと思う。
夫を見ているから「宇宙人って愛が深い」と、私の中の宇宙人のイメージがめちゃめちゃよくなった。
私は直感が働くので、夫はテレパシーを多用しようとする。わかるからって、テレパシーだけじゃ、つまらないから、「ちゃんと声に出して」と度々言う。
彼は、分かり合えない場面で、言葉で大切なことを伝えようとする。この仕事を始めてから、彼はホワイトボードを多用する。
言葉や図解するなどして、しっかり理論的に説明して、理解を促す。
相手との共通認識が遠い時、彼はホワイトボードを使いたくなるだろう。
先日、夫は、息子へ大切なことを伝えたかった。が、今、自分が教えることが、果たして息子のためになるのだろうかと葛藤した末、息子自身で考えるて欲しいと思い、夫は伝えることを控えた。
教えたいのに、我慢して、余計辛そうに見えた。やっぱり宇宙人は愛の人だわ、とひとり思って、胸を熱くした。
数日経って、息子からLINEがあり、それは息子の誕生日前日の、あと数時間で誕生日になろうかという時だった。
夫の気持ちは痛いほど私には伝わっていたので、私は、
「あなたは教えたい人、助けたい人なんだから、今、電話して話なよ。それで息子が理解できなくても、私はちゃんとあなたの気持ちはわかっているからね、私があなたを癒すから。自分の愛を我慢しないで。」と言おうとしたら、電話していた。
あー、よかった。
電話だけど、まるでホワイトボードを片手にしているようで、名言続出。
私はYouTubeか、インスタライブをしようかと思ったけど、さすがに留まった。
どのくらい理解できたのか、わからないけれど、きっと息子がその言葉の真意を理解するほど、人間的に成長できた時に届くのだろうと思った。いつも、私も、夫も、そんな気持ちで子どもたちに向き合ってきた。
今では、子どもたちから教わることも多くなってきている中、こうやって親の役目をさせてくれる子の存在も、ありがたいことだと思えた。
話の中で、「達成することより、一歩が大事」ということ、
「一歩進んで、結果が出ないからといって、何もできていないというのは違う」
「その一歩は、大事な一歩で、その一歩を自分が認めないと、何も積み上がらない」
「その一歩は、とても大きなことで、それを続けていくこと」
「その一歩は、始まりにすぎない」「始まったということが大事。それで終わりじゃない」
ということが特に印象的だった。
「お父さんに認められるような結果を出そうとしようとするな。
自分でその一歩を認められるようになれ。」
そして、最後に、
「これが誕生日プレゼントだ。
しっかり一歩、一歩、進み続けろ。
お父さんに認められるような何かすごいことをしようなんて、
100万光年早いんだよ!」
感動しながら聞いていた私。
そして、さすが宇宙人は、単位を光年で表現するんだ、と妙に納得した。
やっぱり宇宙人は愛の人だ。