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「地獄はひとりで見るから美しい」
本を読んでいて、この一節に触れた時、「本当にそうだなぁ」と感じました。
誰かに言ったところで、その状況が変わらないようなことが人生には山ほどあるものです。
人生に夢を描けない子どもでした。諦めているわけではなかったと今では思うのですが、未来をどうこうするよりも、今、起きていることを受け入れ、生きていくことに必死だったのだと思います。
目の前で起こることがあまりにも強烈で、残酷なことが多かったと感じていました。
怖いことばかりで怯えていましたが、怖いということさえ言葉にできず、ただただそれを受け止めることに全精力を注いでいました。その時の光景は地獄でしたが、今、その時の自分の姿を思うと胸が張り裂けそうになるほど、愛おしく思います。その姿は健気で美しかったと思えます。
その健気な自分も、受け入れる度に、弱さも含めてそれが強さとなり、怖いことが小さくなっていったように感じます。図太くなったのでしょう。
今は、私が果敢に飛び込もうとすると、付いてきてくれる伴侶がいて、もうひとりで地獄を見るようなことはほとんどなくなりました。有難いことです。
でも、どんなに一緒に付いていってあげたいと思う人が存在しても、自分の見ている世界は自分でしか見ることができません。それでも、私が見ている世界に、いつも全身全霊で支えたい、助けたいという存在がいてくれるという安心感があることに驚きと震えるほどの喜びを感じます。それは伴侶に限らず、あらゆることに通じています。
孤独を恐れない心が、全体性を見せてくれた。
気が付いた時には、あらゆるときに助けが入り、暗闇を照らし、導きを与えてくれる存在に護られていた。
それを思うと、やはり全力で地獄をひとりで受け止めていた幼い自分の姿を思い出し、今の自分を輝かせて愉しんで生きようと思うのです。
