実り

私も人並みにいろんな役割りがあるけれど、「母親」の自分ほど自信がないものはない。

と、同時に「母親」の自分ほど自由な私は居ないかもしれない、とも思う。

先日、私の誕生日に、二男、三男も来てくれて、縁あるみなさんと一緒にお食事をしたのだけれど、
子どもたちと会うと、すごく元気になる自分がいることを発見。

それはなぜかというと、思う存分、身勝手に愛せることが気持ちいいからだ。

そして、こんなにも溢れる自分の中の愛情も気持ちいいのだ。

子どもたちにしてみれば迷惑千万な時もあろうかと思うけれど、もう愛するしかない!という境地になったのだから仕方がない。

親子といえど子どもたちも大人になり、それぞれが独立すると、この生涯、あと何回会うのか、それは数えるほどだと思うから。四六時中べったりしたい訳じゃない。できる範囲内ではあるし、最早、自己満足でしかないのだけれど、未熟ながら、子どもたちには、出来る限りの愛情を注いで来た。今は、子どもたちが自分らしく生きている姿を感じることが最高なのだ。

「うちは、他のうちと違う」

我が家の子どもたちが言っていた。どこがどう、ということを言う訳じゃないけれど、違うのだそうだ。

それがよかったこともあろうことだし、それ故、辛いこともさぞかしあったろうと思う。

わかりやすいところで、三男の高校中退事件も、引き留める先生方を説得し、退学させる両親の私たち。もう卒業間近だったのだから。中退がいいとか、そういうことではなく、総合的に見て、ここは、息子の決断を尊重したいとおもったのだから、仕方がない。(笑)

その後の息子の試練は、想像以上で、それはもういろんな想いをした。地獄を見たと思う。みんなの王子様だった彼が、死よりも恐ろしいことをたくさん体験した。

彼が最も死にたくなったのは、自分が必要とされないこと。自分の能力が使えないことだった。

生きていくこと、お金を得ることはいくらでもできる。この日本には仕事は山ほどある。そこそこ時給はいいけれど、穴蔵みたいなところで単純作業。もちろん必要な作業ではあるものの、それは彼にとって死ぬほど辛かったと後々言っていた。
願う仕事は履歴書で門前払い。自分の能力をアピールすることも叶わず、学歴の壁を感じたと言う。そのため、東京でいろんな仕事をして、ほとんど心が死にそうになって地元に戻ってきた。
地元では、以前働いていたホテルで再雇用も大歓迎された。でも、彼は、何か新しいこと、自分の限界を越えるようなことをやってみたかったのだった。地元にも、愉しくて、時給がよく、時間も自由な仕事を見つけたものの、ある程度働くと、次のチャレンジをする。「お金だけ考えると、有り難いんだけど。もっと新しいことを身につけたい。」と。
そんなとき、願っていた業界の店舗が地元仙台に進出し、オープニングスタッフを募集していた。喜んで応募しアルバイトとして採用される。ここから息子は、水を得た魚のようだった。早々に契約社員に登用され、あっという間に社員に登用。スパルタだけど、人材育成の天才みたいな上司に恵まれ、どんどん自分の限界を超えていった。人当たりが良すぎる彼をリーダーとして強くしてくれたのは上司の力が大きい。与えられる責任が大きくなるほどに、自分を追い込み、体重は45キロ、体脂肪は一桁になるほど、仕事に没頭した。一時、医師に「診断書を書くから、休みなさい。」と言われる時もあって、その当時はまた別の意味で辛かったろうと思う。「精神的にも身体的にもキツいけど、たのしい。」と。自分の能力が発揮でき、お客様に喜んでいただけるのがたのしくて仕方がないのだろう。沢山のスタッフと一緒に作りあげる仕事がまた楽しいのだろう。

そんな彼は、間もなく、東京の新店舗オープンにオープニングスタッフとして移動になるという。

「一から新しい場をみんなで創りあげたい。」という希望が受け入れられ、間もなく彼も上京する。

「希望が叶って、よかったね!」と先日会った時も言っていたのだけれど、今日、三男から珍しく家族のグループLINEに投稿があった。

「社内の年間全社3位に選ばれて、表彰式でハワイに行けることになった」

期待していなかったみたいで驚いたと書いてあったけど、怒濤のおめでとうメッセージが家族メンバーから届く。

弟の優秀さ(三男は中卒で、二男は大卒なんだけど)に劣等感を感じていた二男が手放しで喜んでる。

「ようやく世がおまえを認めてきたな!遅いくらいだけど」

誰よりも認めてくれていた兄たち。

そのやり取りを見ていて、本当に嬉しくて、涙がいっぱい溢れた。

三男は、「最近、想像を越える実りが多くて感謝の日々です」と。

私の実りは、あなたたちだよ。

それぞれが生きてて、いろんなことがあるけれど、そうやって生きててくれることが実りです。
有り難い評価は副産物として、すごく嬉しいけれど、

お母さんは、その過程も、ずっと見てるからね。

子育てって、本当にいろんなことがある。我が家も順風満帆な訳がなく、いろんなことがあったし、親である私たちが子どもたちに迷惑かけることもあったし。

これからも、いろんなことがあると思うけれど、まずはやっと三男が中退してからの、あの苦悩の連続。この7年間の努力が実ったと思い、嬉しい限りでした。

家族みんなで喜べたこと、すごく、すごく嬉しかった。

 

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