前回の続きです。
夫と別居し、銀座合宿をしていた私。
そろそろ合宿も終盤。
夫が仕事終わって来てくれて(結局、毎日のように会ってる)、銀座の街にフラッとデートに出て、
ラデュレのケーキを買ってお部屋で食べようとテイクアウト。
丁寧にコーヒーを淹れて、お皿に盛りつけて。
と、そのとき!
その美しいケーキ(サントノーレ・ローズ・フランボワーズ)が
まるでドラマのように、バラエティーの罰ゲームの派手なヤツみたいに
私のロングスカートに転がってきて、絨毯に落下!!!!!!!
。。。。。。。。。。。
「お洋服脱いでおいで、こっちはやるから。」
と優しく言ってくれる夫。
美しいケーキが、可哀想なことになってしまって、言葉も出ない私。
スカートを脱いで、すぐに洗って。
絨毯は、夫が綺麗にしてくれて、私のケーキだけ、見るも無惨な姿。
ピンク色のフワフワのクリームがぐちゃぐちゃになって、可愛らしいシューがまるで骨組みみたいに残ってた。
でも食べられる状況ではなく、一口もいただくことなくさようなら。。。。
夫は、チョコレートケーキを
「これ、一緒に食べよう。」
と言ってくれる。
わーーーーーん!(泣)
優しくされて、嬉しいのと
せっかくふたりで食べようと思ったのにと悲しくなったのと
ローズ色のケーキを無惨な姿にしてしまったことのごめんなさいと
私はどうしてちゃんとできないんだろうというのと
いっぱいいっぱいケーキと関係ないことも溢れてきて
子どものように大泣き。
ああ、なんだか泣きたかったんだな。
と泣きながら思った。
気持ちが張っていたのかも、と思った。
銀座合宿にじゃなくて、きっと東京に来てからずっと。
ううん、そうじゃない、きっともっとずっと前から。
私が支えなければ、私がしっかりしなければ。
子どもの頃からのそんな思いまで溢れてきて
涙が止まらない。
そんなとき
夫は、こんなに優しく人を抱きしめられるのか、というほど優しく抱きしめてくれる。
嬉しくて、安心して、ますます涙は止まらない。
私が私を抱きしめて、
夫はその私を抱きしめる。
幾重にも抱きしめられて、
やっと、私、もう力を抜いてもいいのか。って思った。
だって、ずっと護られてきた。
私の気持ちが張っていただけ。
だけど、だけど、もっともっともっと頑張れると思ったんだもん。
もっともっともっとちゃんとできると思ったんだもん。
と心が泣く。
意外に完璧主義者なのかも。
と思ったり。
もう頑張らなくてもいい、というのが
さみしく思ったり。
なんだかいろんな気持ちが溢れてきて、でも、すごく心地よかった。
「おうちに帰る?」
と静かに夫が言った。
「うん」
ケーキを買い直して来ると言う夫。
こんなに泣いてるのは、食べられなくなったからじゃないの。
わかっていると思うけど。
本当に要らないの。
美しいケーキにはごめんなさいだけど、もうお腹いっぱい。
いろんな気持ちが満ちてきて、お腹いっぱい胸いっぱい。
私は、幼少の頃に欲しかったものは、すべてもう在る世界に生きているんだと改めて思った。
幸せな家庭、何気ない優しさを交わす瞬間。
それはもう怖いほど幸せ。
昔は、暴力や争い事が絶えないことが苦しみだったのに
今は、優しさが溢れまくっている。
優しくて、頼れる夫とそれぞれの地でがんばってる息子たちとその家族
そして、私を慕ってくれているステキな人々に恵まれて。
その面々を思い出しては涙が出てくる。
なんてバラ色なんでしょう。
私はもっと気楽に好きなことを好きなように表現すればいいなんて!(感涙)
しばらくは、このケーキはいろんな感動が呼び覚まされそうで食べられない。
でも期間限定なの。
銀座三越2階にティーサロンがあります。銀座にお越しの際はぜひ。
週末は、かなり並びますけれど。
銀のカトラリーやティーポッドで頂く紅茶も美しいです。
人気のマカロン、ケーキもテイクアウトもできます。
サントノーレ・ローズ・フランボワーズ
画像は、食べログさんからお借りしました。
ラデュレサロン・ド・テ 銀座三越店
銀座合宿は終わりましたが、自宅の居心地のよさを実感しつつ、
三月を迎えて、心が静かに芽吹いてきました。
ユーミンの「優しさに包まれたなら」がアタマの中で響く
おとなになっても奇跡はおこるよ
すべてがメッセージ
本当にそうだ。
優しさに包まれまくってる。
ぬくぬくしたり、バリバリ!って飛び出して冒険したりする。
そして、何か痛いことがあったとしても、また優しさに包まれる。
ケーキ事件よ、ありがとう。
やっぱりできる限り、恩返ししたいと思うのでした。