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私自身、幼少の頃から感受性が高すぎて、大変だった経験がある。いま思えば、それは紛れもなく才能のひとつと思えるけれど、その当時は、そのセンサーが繊細かつ、たくさんのチャンネルを同時に持っていたことから、世界は恐怖でほとんどを占めていた。私は、この世界が怖かった。当然、多面性のある人間のことも、恐怖だった。人が怖くて仕方がなかった。表現していることと、思っていることが違うなんて当たり前、それ以上にフクザツで小さな私には、とらえどころがなさ過ぎて、関わることを躊躇わせた。人見知りで、部屋の隅に隠れてしまうような子だった。自分の恐怖がすぐに体調に影響し、病弱でもあった。

私は、この恐怖をなんとかしないと生きていけないと感じた。だから、目をそらすのではなく、直視して、できる限りしっかり状況を把握し、その時に応じた対応ができるようにする方法を選んだ。すぐに適切な対応などできるはずもなく、失敗に次ぐ失敗。適切に対応できなくて、大変な思いもいっぱいした。だけど、後戻りして、殻に閉じこもっても、そこは恐怖が蔓延するだけだと感じていて、その選択は消えていた。

何事も、たくさんの経験から学べることは山ほどあるもので、10歳くらいには、できる範囲内ではあるものの(10歳に求められることはそう多くない)理不尽の父を除いては、気づかれないようなレベルで自分を守ることができるようになってきた。そして、11歳の頃、突然、表舞台に押し出されるようなことが急増した。引っ込み思案な私だったのに、求められる役割りは、期待以上に応えることができたことを私自身が最も驚いた。初めてやることも「やってみたら、できた」のは、シュミレーション(イメージ力)と密かなるチャレンジ(実行・実践)の連続の恩恵なのかもしれない。

私のチャレンジは、その後もずっと続く。イメージ力と実践の両方を必要としたため、私の感受性はまったく死なずに生かされた。イメージ力は、客観性と感性の両方が磨かれた。

感性と実践(経験)、その両方を使うことにより、精神性まで否応なく磨かれることとなった。感情知性(EQ)が高まったのだった。感情知性は、知能指数と同じように重要視されるようになったが「心の知能指数」とも呼ばれる能力のことで、「自分の感情をどのように適切に扱えるか」「他人の感情にどう適切に反応できるか」という領域でそれが現れる。人間関係の問題を解決したり、相手の気持ちをくんで対応したり、あらゆる場面で揺れる自分の感情とのよいバランスが取れる。磨きまくってきたもの。磨くということは、たくさんの摩擦を経験してきたということ。たくさんのバランスの悪さ、限界、無力感も受け容れることが含まれる。

お陰で、感受性が守られた。感受性とは、ネガティブなことだけに反応する訳ではなく、その全方向的にあるもので、磨くことにより、最悪な状況のときこそ、目の前のことを受容し、希望からも目をそらさずに居られる。

根底の自己信頼は、この長い道のりで発見し、ぶれた時も自分を見放さず、全方向的な見方をし、いまの自分にできることをし、できないことを受け容れる強さを与えてくれた。そして、驚くことに恐怖だったことがどんどん怖くなくなった。

この仕事を始めて、感受性が豊かな方とたくさんであってきた。アーティスト体質な人との出逢いは、必然だったのだと思う。自分の感性を殺さずに生きてきたということは、イバラの道で傷だらけだったりする。自分では意識しない強さもある。自分では見づらいかもしれない、それ。

これからの時代、どの分野でも、感性が豊かで、感情知性が高い人が求められる。バランス感覚がよい知性的で、精神性が高い人。

そういう人々は、自分の素晴らしさにイマイチ気づいていなかったりする。そして、素晴らしすぎて、自分を責め続けていたり、人に頼れず孤立してしまったり、傷ついている自分を癒すことも赦せずにいたり。

だけど、ひとたび、その人たちが、自分の光に本当に気づいたとき、すごいことが起る。とても自然ですごいこと。

それはきっと私自身とも連動している。私のこの長い道は、今世に始まったことじゃない。永い永い魂の旅。

この感性を守ってきてよかった。そこからすべてが開かれていくのだもの。

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