昨年(2018年)公開された邦画「コーヒーが冷めないうちに」
この映画は、私にとってセラピーの現場で起っていることに見えてならなかった。
感動しすぎて、涙・鼻水の洪水でした。
自分が思い込んでいることから自分を解放し、真実を知ること。
この映画では、そんな真実を知ることを選び、真実を受け止めて未来を変えていく人々が描かれている。
私にとっては、それはファンタジーではなくリアル。それは私がセラピーの現場にいるからなのかもしれない。
この映画では、過去に戻れる喫茶店を舞台に人々の中にある「後悔」にスポットが当てられている。
「過去に戻って、どんなことをしても、現実は変わらない」
このルールを聞いて、過去に戻ることをやめるお客さんがほとんど。また真実を知ることが怖いという人も多く、この喫茶店で過去に戻ることを選ぶお客さんは多くない。
「現実が変わらなければ、過去に戻る(真実を知る)意味がないじゃん。」と思ってしまうのだろうか。
それとも、真実を知ってショックを受けるのが怖いのか(せっかくギリギリのところでやり過ごしているのに)
すべてを受け止めても、希望をもって人生を創造する自信がないのか。
もしかしたら、どちらでもなく、「過去がどうあれ、未来は自分が選んでいく」という真実を知らない(したことがない、したという認識がない)だけなのかもしれないと思う私は理想主義だろうか。いやいやそれは理想ではなく真実だということが私にとっては、リアルなのだ。
セラピーを受ける選択をするということは、まさにこの喫茶店であの席に座り、過去に戻ることを選ぶことにとても似ている。
そして、映画に出てくるお客さんのように「今ここ」で未来を変えた人々を私はたくさん目撃している。
人生には、本当に様々なことがある。
他人からすれば、些細なことでも、本人にとっては一大事なことが山ほどある。
ましてや、誰から見ても残酷なこともあるものだ。
その出来事や状況の大小ではなく、自分の大切な人生を大切に生きること。
自分の人生をより満足度の高い人生にすることの価値は、果てしないと思う。
人生に起る様々なことを受け容れて生きている人でさえ、後悔や痛みがあるものだ。
生きている限り、手遅れじゃないと思う。
例え、亡くなった人が生き返らなくても。
「今ここ」「セラピー」が好きな人は、純粋にこの作品に込められたメッセージが受け取れること必至。
ぜひご覧になって欲しい。