一通のメールが来た。
「初めてメールさせていただきます。私は25歳モデルをしています。カウンセリングに興味があり、いつか私もカウンセラーになれたらという夢を持っています。でも、私は10代の頃から過食拒食でいまだに吐くことが止められません。こんな私でもカウンセラーになれるでしょうか。」
私は、カウンセラーになりたいという彼女に返信しました。
「メールありがとうございます。メールを読ませていただいて、もしかしたらあなたが感じている以上に熱いものを感じました。過食拒食で苦しんでいる経験があるあなただからこそ、できるサポートというのがあると思います。ぜひ夢を叶えて欲しいと思いました。だからこそ、あなたが一番癒されてください。あなた自身の「癒し」の体験は、言葉にしなくても影響力となり、たくさんの人に伝わります。何より『私が乗り越えたのだから目の前の人も乗り越えられる』という信じる心はカウンセラーになってから最大の力になるでしょう。」
カウンセラーになりたい、というメールは珍しくない。カウンセリングに興味がある人は例外なく自分自身、もしくは家族に大きな悩みに苦しんできた。自分を救いたいから人を救いたいという流れは自然。私もそうだもの。私もそうだったからこそ、いただくメールには「誰よりも自分が癒されてください。自分の癒し体験こそ、どんな理論よりツールより実際のセッションでは大きな力になります。」と返信している。
すぐに返事がかえってきた。
「ご返信ありがとうございます。
そうですよね。自分が癒されていないのに苦しんでいる人を助けることは、順番が逆だと思いました。私は絶対に癒されないと思っていた自分もいると感じてゾッとしましたが、同時に、私が癒されたらカウンセラーになれるかもしれない!という希望が湧いてきました。まだまだ課題は山積みでどこからどう癒していったらよいのかわかりませんが、決意ができたら伺います。どうぞよろしくお願いします。」
そして、4ヶ月後にようやく決意できましたとご予約のメールがあり、初回のカウンセリングで博美さんに逢った。
(2016年ペンネーム宮城理紗としてリリース:電子書籍「煩悩菩薩」より)
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自分らしさとワガママ。拒食過食に悩んでいた彼女が抱えていた自分らしさを発揮しきれない根底に、ふかーーーーくこのテーマがありました。これは、彼女に限らず、症状に限らず、悩みの種類に限らず、いろんな場面で出てくるテーマです。もうお持ちの方は、目次をご覧頂いて、気になる章だけでも見てみると、文字だけじゃない部分からもメッセージがあると思います。まだの方は、ぜひダウンロードしてお読みいただければ嬉しいです。
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